H18年度 測量士補試験 No2 多角測量
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<H18-2-A:問題>

 

次の文は、トータルステーションとデータコレクタを用いた基準点測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

 

 

1.トータルステーションによる観測では、水平観測 鉛直角観測、距離測定を同時に行える。

2.トータルステーションによる距離測定では、観測時に気温、気圧の測定値を入力すると自動的に気象補正を行う。

3.データコレクタに記録された観測データは、速やかに他の媒体にバックアップを取ることが望ましい。

4.観測前に作業規程で定められた許容範囲を入力することにより、観測終了後直ちに観測の良否が判断できる。

5.再測となった観測値は、データコレクタ内の記録から削除しても差し支えない。



<H18-2-A:解答>

 

 TSを用いた、基準点測量の一般的な事柄について述べたものである。問題各文について解説すると、次のようになる。

 

1.正しい。
TSとは、光波測距儀と電子セオドライトの機能を併せ持つ測量器械である。これにより、1回の視準で、水平角、鉛直角、斜距離(距離)を同時に観測することができる。

2.正しい。
TSでは、あらかじめ気温や気圧などの気象要素を入力することにより、器械内部の計算により、補正された値を表示することができる。

3.正しい。
データコレクタに記録されたデータは、不意のトラブルによるデータの紛失を防ぐために、観測者が覚えやすい一定の作業の区切りなどにより、適宜他の記録媒体などにバックアップを取っておくことが望ましい。

4.正しい。
TSにあらかじめ定められた許容範囲を設定すると自動的に点検ができるため、観測データの良否をその場で確認でき、再測すべきか否かの判断が簡単に行える。

5.間違い。
データコレクタに一度保存された測量データは、その測量の品質を保証するために、簡単に修正や削除が行えないようになっている。

 

 

解答:5



<H18-2-B:問題>

 

光波測距儀による距離測定において、測定距離に比例する誤差の原因となるものはどれか。次の中から選べ。

 

1.器械の致心誤差

2.器械定数の誤差

3.気象要素の測定誤差

4.位相差測定の誤差

5.反射鏡定数の誤差



<H18-2-B:解答>

 

 光波測距儀の誤差に関する問題である。問題各文について考えると次のようになる。

 

 光波測距儀の誤差は、大きく「観測距離に比例する誤差」と「観測距離に比例しない誤差」に分けられる。

 

1.比例しない。致心誤差は測点ごとのものなので距離に関係ない。

2.比例しない。器械定数は「定数」なので比例しない。

3.比例する。気象要素の測定誤差は距離に比例する。

4.比例しない。位相差測定の誤差は位相差計の分解能なので比例しない。

5.比例しない。反射鏡定数は「定数」なので比例しない。

 

 

解答:3



<H18-2-C:問題>

 

表2-1は、インターネットを利用して国土地理院のホームページで閲覧できる三角点多角点情報表示の抜粋である  ア  及び  イ  に入れるべき符号と  ウ  の縮尺係数の組合せとして、最も適当なものはどれか。次の中から選べ。

ただし、平面直角座標系2系の原点数値は、次のとおりである。

 

緯度(北緯) 33°O′O"0000

経度(東経)131°0′0". 0000

 

表2-1

世界測地系(測地成果2000

基準点コード

4930-36-4601

1/50000地形図名

菊池

種 別

四等三角点

冠字番号

1

点 名

横平

緯 度

32°5735".0932

経 度

130°1943".4036

標 高

128.02

座 標 系

2系

 ア  4450.632 m  

 イ  16012.038

縮尺係数

 ウ 

ジオイド高

32.80

 

 

 

1.

1.000003

2.

0.999903

3.

0.999903

4.

0.999903

5.

1.000003



<H18-2-C:解答>

 

 基準点成果表に関する問題である。問題の ア~ウ について考えると、次のようになる。

 

<ア・イ>

 平面直角座標系の座標原点の経緯度と、対象となる三角点の経緯度を比べると、緯度、経度ともに、マイナス方向に位置している※ことがわかる。よって、ア・イともに、「-」の符号が入る。

※緯度:原点座標より、南側に位置している。 経度:原点座標より西側に位置している。

 

<ウ>

 任意地点の縮尺係数は、次の式により求めることができる。

m = m0 + (Y2・m0

ここで、mは任意地点の縮尺係数、YはY座標値(km単位)、Rは地球の半径(6,370km、m0は、0.9999 よって、

m = 0.9999 + {16 /(2×6370×0.9999)}≒ 0.999903

 この三角点の縮尺係数は、0.999903となる。

 

無理に計算を行わなくとも、答えを導くだけならば次のように考えればよい。
まず、ア・イにより座標値の符合がわかっているので、ここで選択肢を3か5に絞り込むことができる。
次に、互いの縮尺係数を見ると、「1」より大きいものが3、小さいものが5の選択肢である。
平面直角座標系は、座標原点から90km離れた地点で、縮尺係数1.0000であるため、座標原点から約16kmしか離れていないこの三角点の縮尺係数が、「1」を超えることは無い。よって、消去法で選択肢「3」が残る。

 

 

解答:3



<H18-2-D:問題>

 

次の文は、 GPS測量における各種誤差を軽減する方法について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

 

1.GPSアンテナの向きは、特定の方向に揃えて整置する。

2.長距離基線の場合には、2周波GPS受信機を使用することによって、対流圏の影響による誤差を軽減できる。

3.GPS衛星の飛来情報を事前に確認し、衛星配置が片寄った時間帯での観測は避ける。

4.観測中は、GPSアンテナの近くで電波に影響を及ぼす機器の使用は避ける。

5.対流圏の影響による誤差や多重反射(マルチパス)の影響を軽減するため、GPS衛星の最低高度角を設定する。



<H18-2-D:解答>

 

 GPS測量における、誤差の軽減法について述べたものである。問題各文について考えると次のようになる。

 

1.正しい。
GPSアンテナの向きを、同一セッションごとに特定方向(一般には北方向)にそろえて観測することにより、指向性による定誤差を軽減することができる。

2.間違い。
2周波(L1とL2帯)を同時に受信するGPS受信機は、搬送波位相データの組合せにより、電離層遅延の補正を行っている。

※ 対流圏とは、地表からおおよそ10km程度の大気層の事を指す。また、電離層(電離圏)とは、地表からおおよそ60km~1000kmくらいまでの、希薄な大気層を指す。対流圏では、電波の周波数にほとんどと言ってよいほど影響を与えず、電離層では、周波数の二乗に逆比例した値だけ、周波数速度が変化する。

3.正しい。
GPS測量を実施する前には、飛来情報を確認し観測時間帯を決定する必要がある。精度の良い観測を行うためには、衛星が天空いっぱいに均等に配置されている事が重要であり、片寄った配置での観測は避ける必要がある。

4.正しい。
GPS観測中は、アンテナの近くに自動車や無線機、携帯電話などの機器を近づけると、電波障害を引起す恐れがある。これらの使用を控えるか、十分に離して使用する必要がある。

5.正しい。
GPS衛星の受信高度角は、小さく(低高度)なればなるほど、数多くの衛星からの電波をキャッチすることができる。しかし、低高度になるほど大気の揺らぎやマルチパスなどの影響を受けやすくなるため、公共測量作業規程では最低高度角を15度とすることを標準としている。

解答:2

参考文献:公共測量作業規程

http://www.kinomise.com/sokuryo/ 測量士・測量士補 試験対策WEB

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