H24年度 測量士補試験 No9〜No12 水準測量:解答
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No9:水準測量:解答>


   解 答

 レベルと標尺の誤差に関する問題である。水準測量における定番問題であるため、誤差の「名前」、「内容」、「消去法」を確実に覚える必要がある。以下に、問題文中のア〜オについて解説する。


ア.  視準軸誤差。
レベルの視準軸誤差は、レベルの気泡管軸と視準軸が平行でないために生じる誤差である。この誤差の消去法は、レベルと前後標尺間の距離を等しくすればよい。

イ.  平方根。
往復観測値の較差の許容範囲(制限)は、 m=±k√S で与えられる。
 (m:較差の許容範囲、k:1km当りの較差の許容値、S:水準路線長(Km、片道))
つまり、この誤差は観測距離(水準路線長)の平方根に比例すると言える。

ウ.  大きく。
大気の屈折による誤差(レフラクション)とは、大気密度が大きくなるために生じる光の屈折誤差を言う。つまり望遠鏡を通過する光(視準線)が、大気密度の大きい地表面等に向かって屈折する事により生じる誤差の事である。観測(視準)距離が長い場合や、標尺の下方を視準すると大きくなる。作業規程の準則(第642-1-イ)において、視準距離は1級で最大50mとされている。

エ.  できる。
球差とは地球表面が湾曲している(地球が球体である)ために生じる誤差であり、レベルと前後標尺の距離が異なる場合に生じる。レベルと前後標尺間の距離を等しくすれば消去できる。

オ.  最下部。
大気の屈折による誤差(レフラクション)とは、地表面に近いほど、大気密度が大きくなるために生じる光の屈折誤差を言う。つまり望遠鏡を通過する光(視準線)が、大気密度の大きい地表面に向かって屈折する事により生じる誤差の事である。この誤差を小さくするためには、標尺の下方を視準しない事や、視準距離を短くするなどが有効である。作業規程の準則(第642-7)によれば、「標尺下方の20cm以下を視準しない」(1級水準測量)とある。

 

解答: 3



<No10:水準測量:解答>

   解 答

 標尺補正計算に関する問題である。これは、あらかじめ観測に使用する標尺を基準尺により点検し長さの補正値を求めておき、観測値に対して補正を行うもので、次式により計算される。

 

 問題文において、標尺補正の計算を行なうと次のようになる。

 

12μm(マイクロメートル)は、12×106mで、121,000,000 mの事である。

 

よって、補正後の高低差は次のようになる。

 

+|13.7000m0.0002m|=+13.7002m

※ 高低差の絶対値に対して計算を行う。

 

 

解答: 5



No11:水準測量:解答>


   解 答

 レベルによる観測作業の注意事項に関する問題である。水準測量における定番問題であるため、よく理解しておく必要がある。また、まとめて出題される事もあるため、「観測作業の注意事項」と「誤差と消去法」はセットで覚える必要がある。以下に、問題文中の各選択肢について解説する。


1.    正しい。
問題文の通り。作業規程の準則(第632)によれば、1・2級水準測量において、観測期間中おおむね10日毎に行うとされている。

2.    間違い。
無制限に長くする事は誤差を誘発する事になる。作業規程の準則(第642-1-イ)では、1級で最大50m、2級で60m、3・4級で70mとしている。

3.    正しい。
 記帳された(入力された)観測データは、観測作業に作為がなく、その信頼性を高めるためにも訂正をしてはならない。誤記や再測による場合は、その測点の観測をやり直し、その結果を記入する必要がある。

4.    正しい。
主気泡管の不等膨張などによる誤差を防ぐため、傘などによりレベルに直射日光が当たらないようにする必要があるが、コンペンセータを用いるオートレベルではこの作業を省略する事ができる。また、電子レベルでは同様にコンペンセータを用いているが、内部電子部品の温度上昇を防ぐため、レベルに直射日光が当たらないようにする必要がある。

5.    正しい。
固定点を適宜設け往復の観測を行う事により、観測値の点検などが行える。作業規程の準則(第642-6)の文書から出題されている。

 

 

解答:2



No12:水準測量:解答>


   解 答

 レベルのくい打ち調整法(レベルの気泡管軸と視準軸(線)が平行(水平)であるかどうかの点検方法)に関する計算問題である。杭打ち調整法の原理はやや理解しがたいものではあるが、その出題形式は例年同じであるため、解答手法(計算の流れ)を身につけてしまった方が良い。 以下に、計算の流れに沿って解答する。


@   標尺T・U間の正しい高低差を求める。(レベル位置A)

1.1987 m − 1.1506 m = 0.0481


A   レベル位置Bで観測した、標尺T・U間の高低差を求める。

1.2765 m − 1.2107 m = 0.0658


B   調整の有無を判定する。

ここでレベルの視準線が水平ならば、

@ = Aであるが、@− A = 0.0481 m − 0.0658 m = −0.0177 m であるため、視準線の調整が必要となる。

 また、視準線が正確であると仮定するならば、レベル位置Bからの観測では、標尺Tの読定値は

1.2765 - 0.0177 m = 1.2588 m 付近であると言える。

1.2588 mが調整値ではない。

C   標尺Tの調整量を求める。

 レベルBにおける標尺Tの調整量は、 である。

 従ってレベルBから、標尺Tの読定値が 1.2765 - 0.01947 m = 1.25703 m となるように、視準線を調整すればよい。

 

 よって、最も近い標尺Tの読定値は、1の1.2570 mとなる。

 

 

解答:1


参考文献:測量作業規程の準則・測量関係法令集

http://www.kinomise.com/sokuryo/ 測量士・測量士補 試験対策WEB

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