H23年度 測量士補試験 No4〜No8 基準点測量:解答
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No4:基準点測量:解答>

 

● 解 答

 

 観測値の標準偏差を求める問題である。

 

計算の手順としては、水平角の最確値を求めてから標準偏差を求めればよい。

 

@ 最確値を求めると次のようになる。

 

A 各観測値の残差を求める。

 

回数

観測値

残差(ν)

(νν)

150°0007

04″− 07″= −03

9

149°5959

64″− 59″= +05

25

149°5956

64″− 56″= +08

64

150°0005

04″− 05″= −01

1

150°0013

04″− 13″= −09

81

 

@   標準偏差を求める

   ここで、最確値の標準偏差であるため、標準偏差の式に注意する。

 

よって、解答は、「2」となる。

 

解答:2



No5:基準点測量:解答>


   解 答

 

 GPS機器を用いた測量の特徴に関する問題である。

 問題文に正しい語句を当てはめると次のようになる。

 

GPS測量機を用いた測量における主要な誤差要因には、GPS衛星位置や時計などの誤差に加え、GPS衛星から観測点までに電波が伝搬する過程で生ずる誤差がある。そのうち、  電離層遅延誤差   は周波数に依存するため、2周波の観測により軽減することができるが、  対流圏遅延誤差  は周波数に依存せず、2周波の観測により軽減することができないため、基線解析ソフトウェアで採用している標準値を用いて近似的に補正が行われる。  ネットワーク型RTK-GPS  法では、このような誤差に対し、基準局の観測データから作られる補正量などを取得し、解析処理を行うことで、その軽減が図られている。

ただし、GPS衛星から直接到達する電波以外に電波が構造物などに当たって反射したものが受信される現象である  マルチパス  による誤差は、  ネットワーク型RTK-GPS  法によっても補正できないので、選点に当たっては、周辺に構造物が無い場所を選ぶなどの注意が必要である。

 

解答: 1

 

電離層遅延誤差:電離層(地上60100q程度に位置する希薄な大気の層が電離状態になっている領域)をGPS衛星からの電波が通過する際に、屈折し電波到達時間が遅くなるために生じる誤差。GPS衛星がL1L2と2つの電波を発信しているのは、この誤差を消去(軽減)するためである。

また、電離層での電波の屈折率は、周波数の二乗に反比例する。

 

対流圏遅延誤差:対流圏(地上〜10q程度までの大気の層)をGPS衛星からの電波が通過する際に生じる速度遅延による誤差。これを補正するために基線解析ソフトに設定されているデフォルト値を用いて気象補正が行われる。

 

ネットワーク型RTK-GPS測量:VRS(仮想基準点)方式では、電離層や対流圏の遅延、衛星の軌道誤差等が補正データとして配信事業者から配信され、FKP(面補正パラメータ)方式では、基準局の観測から電離層等の状態空間モデルを生成し、このモデルから補正情報を計算するため、誤差が軽減される。



No6:基準点測量:解答>


   解 答

 偏心補正計算(正弦定理)の計算問題である。


問題文より、水平角T=T´−∠PAB(x)であることがわかる。∠PABを求めるには、以下の手順で解いて行けばよい。

 

 @  偏心補正計算により、偏心補正量I′( ∠PAB)を求める。

 


ここで、sin330°は360°−330°として、sin30°で関数表によりその値を求めればよい。

本来はsin330°=−0.5として符号そのままにT´に加えればよい。ここでは、手計算であることを考慮して、あえてT=T´−∠PABの式を作成し、偏心補正角を+の記号で算出している。

 

A T=T´−∠PAB により求める。

 

T= 53°2523″− 100″= 53°2343

 

 よって、水平角Tは、4 となる。

 

解答:4



No7:基準点測量:解答>

 

トータルステーション(以下TS)とデータコレクタ(以下DC)の特徴に関する問題である。昨年に引き続いての出題となった。

以下に、各選択肢について解説する。


1.    正しい。
問題文の通り、器械高及び反射鏡高は観測者自身が計測し、入力する必要があるが、観測値はTSの設定により、DCに自動記録される。

2.    正しい。
データコレクタに記録されたデータは、不意のトラブルによるデータの紛失を防ぐために、観測者が覚えやすい一定の作業の区切りなどにより、適宜他の記録媒体などにバックアップを取っておくことが望ましい。

3.    間違い。
基準面上の距離の計算は、標高ではなくジオイドモデルを使用し、楕円体高を求めて行う。ただし、3級及び4級基準点測量では、基準面上の距離の計算は、楕円体高ではなく標高を用いることができる。

4.    正しい。
TSを用いた基準点測量では、水平角・鉛直角観測、距離測定は1視準において同時に行う事を原則としている。

5.    正しい。
TSを用いた基準点測量では、水平角観測の必要回数に合わせ、取得された鉛直角観測値と距離測定値は、全て採用しその平均値を用いることができる。

 

 

よって、明らかに間違っている選択肢は、3である。

 

解答: 3



No8:基準点測量:解答>

 

 GPS測量機を用いた基準点測量に関する問題であるが、GPSに関すると言うよりは、作業工程に関する内容の方が濃い問題である。

以下に、問題各文について解説する。


1.    正しい。
作業計画の工程では、適当な縮尺の地図や空中写真等を用いて地図上で計画され、後続作業や配点密度を考慮しながら利用しやすい場所に新点の概略設置位置をプロットして、平均計画図が作成される。

2.    正しい。
選点の工程では、平均計画図に基づき既知点調査と新点の位置選定が行われ、平均図が作成される。GPS測量機を用いた観測では、上空視界の確保と構造物等によるマルチパスに注意する必要があり、場合によっては、試験観測により衛星の捕捉状況や雑音電波の確認を行う必要がある。また、新点設置予定地の所有者の使用許可が得られるかも重要な確認事項となる。

3.    正しい。
観測の実施に際しては、平均図を基に観測図が作成される。観測図は、観測内容の漏れや監督員の点検、成果検定の際にも使用される。なお、GPS測量においては、観測図にセッション計画を記入して観測を実施する。また、観測値の点検のためには異なるセッションによる基線ベクトルを含む閉じた多角網を形成する必要があるため、これを考慮して観測図を作成する必要がある。

4.    間違い。
自動車など、電波を反射させるものを観測点の近くに置く事は、マルチパス(多重反射)の原因を自ら造る事になる。GPSTSなど、バッテリーを使用する観測機器を用いる場合は、必ず予備のバッテリーを持参する必要がある。

5.    正しい。
点検計算において、許容範囲を超えた場合、再測を行うのは当然である。
GPS
観測における点検計算では、基線ベクトルの環閉合誤差と重複する基線ベクトルの較差について、それぞれ水平と高さに許容範囲が定められている。

 

 

よって、明らかに間違っているのは、4となる。

 

解答: 4


参考文献:測量作業規程の準則・測量関係法令集

http://www.kinomise.com/sokuryo/ 測量士・測量士補 試験対策WEB

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