H21年度 測量士補試験 No9〜No12 水準測量解答
- PR -

- PR -

- PR -


No9:水準測量:解答>

 

● 関連問題(レベルによる観測作業の注意事項)

H6-3-AH7-3-AH8-3-AH9-3-CH10-3-DH11-3-CH17-3-AH18-3-AH19-3-AH20-3-AH21-9

(出題回数 1216

   解 答

 レベルによる観測作業の注意事項に関する問題である。定番問題であるためしっかりと理解しておく必要がある。また、選択肢45に見られるように、10「水準測量の誤差と消去法」に関する選択肢も入ることがあるため、観測作業の注意事項と誤差と消去法はセットで覚える必要がある。  

以下に、問題文中の各選択肢について解説する。

 
1.    間違い。
作業規程の準則では、「新点の観測は、永久標識の設置後24時間以上経過してから行う」とある。また、同解説では「通常は1週間程度が経過してからが望ましいが、やむをえない場合でも24時間以上経過してから行う」とある。基本的には、永久標識の埋設後、沈下や隆起等がなくなり、安定してから観測作業を行うという事である。

2.    正しい。
記帳された(入力した)観測データは、観測作業に作為がなく、その信頼性を高めるためにも、訂正をしてはならない。誤記や再測による場合は、その測点の観測をやり直し、その結果を記入する必要がある。

3.    正しい。
作業規程の準則では、「観測に使用する機器は、適宜、点検及び調整を行うものとする」とある。特に作業期間中においては、器械等に予想外の衝撃を与えた場合など、適宜点検を実施すべきである。

4.    正しい。
標尺底面の磨耗等により、零目盛の位置が正しくないために生じる誤差「標尺の零点誤差」の消去法である。「
出発点に立てた標尺を終点に立てる」と出題される場合もある。

5.    正しい。
望遠鏡の視準軸と気泡管軸が平行でないために生じる誤差「視準軸誤差」や地球が球面体であるために生じる誤差「球差」の消去法である。

 

 

 よって、明らかに間違っているのは、1である。

解答: 1



No10:水準測量:解答>

 
   関連問題

(水準測量の誤差と消去法 全般)

H8-3-DH12-3-BH13-3-BH14-3-AH16-3-BH18-3-DH19-3-CH21-10(出題回数 816

(視準軸の誤差と消去法)

H6-3-BH17-3-C(出題回数 216

 
   解 答

 レベルと標尺の誤差に関する問題である。No9同様に定番問題であるため、誤差の「名前」、「内容」、「消去法」を確実に覚える必要がある。

 以下に、問題文中の各選択肢について解説する。

 
1.    間違い。
レベルの鉛直軸誤差は、鉛直軸が傾いているために生じる誤差を言い、この誤差の「消去法」は無い。誤差を小さく(少なく)するためには、レベルの望遠鏡と三脚の向きを、特定の標尺に対向させるように据付け、観測を行えばよい。


2.    間違い。
問題文にある通り、「球差」とは地球表面が湾曲している(地球が球体である)ために生じる誤差であり、レベルと前後標尺の距離が異なる場合に生じる。問題文の「レベルが前視と後視の両標尺の中央にある状態」は消去法である。

3.    正しい。
標尺の零点誤差(零目盛誤差)とは、問題文にあるように、標尺底面の磨耗等により零目盛の位置が正しくないために生じる誤差を言う。零点誤差は測定回数を偶数回にする(出発点に立てた標尺を終点に立てる)事により消去される。


4.    間違い。
大気の屈折による誤差(レフラクション)とは、地表面に近いほど、大気密度が大きくなるために生じる光の屈折誤差を言う。つまり望遠鏡を通過する光(視準線)が、大気密度の大きい地表面に向かって屈折する事により生じる誤差の事である。この誤差を小さくするためには、標尺の下方を視準しない事や、視準距離を短くするなどが有効である。問題文中「
20cm以下を視準しない」とは、1級水準測量で定められた数値である。

5.    間違い。
軟弱地盤などによる、レベルの沈下(三脚の沈下)による誤差を小さくするには、三脚に脚杭や足場を用いるのが有効であるが、素早く観測することによってもその影響を最小限に抑えることができる。問題文にあるように、「時間をかけて慎重に」行えばその間にレベル(三脚)が沈下してしまう。

 

よって正しいものは、3である。

 

解答: 3



No11 :水準測量:解答>


   関連問題(重量平均による標高の最確値)

H6-3-DH7-3-DH8-3-CH12-3-CH13-3-CH14-3-CH16-3-CH17-3-DH18-3-DH21-11

(出題回数 1016

   解 答

 重量平均による標高の最確値を求める問題である。水準測量分野における計算問題としては定番問題となる。士補試験では電卓の持ち込みが禁止されているため、ケアレスミスに注意し計算手順をしっかりと覚えれば、簡単に解ける問題である。以下に、計算手順を解説する。

 
@   観測方向に注意し路線ごとの観測標高を求め、観測距離を基に各路線の重量を計算する。

路線

観測標高

観測距離

重量

A→E

6.0393.0612.978m

3q

(1/3)×124

B→E

4.1451.1832.962m

1q

(1/1)×1212

E→C

2.6550.3412.996m

2q

(1/2)×126

E→D

5.3082.3033.005m

4q

(1/4)×123







 

 

 

※C・Dに関しては、観測方向が逆であるため、観測高低差の符号が逆になる。
※重量は、観測距離に反比例することに注意する。また、計算しやすいように分母の最小公倍数を  

かけて整数にしている。

※重量は分数のまま計算しても良い。

 
A   標高の最確値を求める。(重量計算)

※ 手計算による計算を簡易にするため、観測標高の共通部分である2.9mを外に出して計算している。

 よって、最も近い選択肢は1の2.978mとなる。

解答: 1



No12:水準測量:解答>

 

● 関連問題(往復観測の較差と許容範囲)

H6-3-CH7-3-CH9-3-DH10-3-CH14-3-BH15-3-DH19-3-DH21-12(出題回数 816


   解 答

較差と許容範囲から、再測区間を求める計算問題である。この問題は、次の手順で解けばよい。

 
A)   各観測区間の較差の許容値を求める

問題文より、各観測区間の区間距離は全て400mである。このため、各観測区間の較差の許容値は、m = 2.5mm×√0.4 2.5mm × 0.632 1.58mm 0.0016mとなる。

 
B)   各観測区間の往復観測における較差を求める

観測区間

往観測(m)

復観測(m)

較差(m)

較差の許容値(m)

判定

@

4.1238

4.1231

0.0007

0.0016

OK

A

4.0714

4.0705

0.0009

0.0016

OK

B

1.1070

1.1076

0.0006

0.0016

OK

C

2.0194

2.0183

0.0011

0.0016

OK

高低差

9.1076

9.1043

 

 

 

 

C) 較差の許容値と観測値の較差を比較し、再測すべき区間を求める

  B)の表より、較差の許容値を超えている区間がないため、ここでは再測区間の判定は付かない。

 

D)  往復それぞれの水準点間の較差を計算し誤差を求める

   B)の表より、往復の高低差から較差を求めると次のようになる。

  +9.1076(往観測の高低差) − 9.1043(復観測の高低差) = 0.0033m

 

E)  全体の路線長に対する較差の許容範囲を求めると、次のようになる。

  2.5mm×√1.6km = 2.5mm × 1.26(問題文より) 3.2 mm 0.0032m


F)   再測の判定

往復観測の較差が、許容範囲を超えているため、各区間での再測判定はできないが、路線全体では、再測が必要である。

0.0033m > 0.0032m  OUT

 
G)     再測区間の決定

区間ごとに見ると、B)の表にあるように較差の制限を越えている区間は無い。しかし、F)にあるように、全体の較差では制限値を超えているため再測が必要と判定される。

そこで問題文の選択肢を見ると、15の中で5は除外できる。残りの14の選択肢の中で、一番往復観測の較差が大きい区間、4.C の区間を再測すべきであると考えられる。

Cの区間を再測し、再び観測路線全体の較差を判断すればよい。

 

 

解答: 4


参考文献:測量作業規程の準則

http://www.kinomise.com/sokuryo/ 測量士・測量士補 試験対策WEB

c Matsubara.P.O c Sey Qxara