H29年度 測量士試験 午前 No21~No24 地図編集
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<H29-No21:地図編集:解答>

 地形図の読図に関する問題である。問題各文について考えると次のようになる。

1.正しい。地図を読取ると、ロープウェイ山頂駅付近の標高は約260m、山麓駅の標高は約10m、縮尺記号によりロープウェイの全長は約890mとなる。よって、このロープウェイの傾斜角は、tanθ= 250/890=0.28より、三角関数表から16°程度となる。

2.正しい。勢見山の三角点が109.3m、城山の三角点が61.6mであるため、標高差は
109.3-61.6=47.7≒48mとなる。

3.正しい。図枠四隅の経緯度の差は、経度1′40″、緯度1′10″となる。これを用いて市役所の経緯度を比例計算によって求めると、問題文の通りとなる。

4.間違い。眉山公園の三角点標高は276.6m、東大工町の水準点標高は2.0m、両三角点の水平距離は縮尺記号から825m。よって斜距離は次のように求められる。


5.正しい。鉄道記号を見てみると、単線記号(白黒の白い部分に何も入っていない)である。

 よって、明かに間違っているのは4.となる。

解答: 4


<H29-No22:地図編集:解答>

  地図の投影法に関する問題である。各投影法の名称と投影図を覚えておけば解ける問題である。
 問題文にある各投影図について解説すると次のようになる。

A.正軸円錐図法
円錐軸と地軸が一致するように円錐をかぶせる投影し、広げた図法。経線間隔が内側で縮小され、外側では拡大されるが、全ての経線上と標準緯線上で距離が正しくなる。
地球に交わらせて投影したものは横軸円錐図法である。

B.
サンソン図法(擬円筒図法)
経線がサインカーブで表される事から、正弦曲線図法とも呼ばれる。地球全体の縦と横の比を1:2にして表した
正積図である。

C.方位図法
地球の中心に光源を置いて平面に投影する図法。有効範囲が狭く、原点から離れるに従い長さの誤差が大きくなる。地図上の任意の2点間を結ぶ直線がその経路の大圏上になるため、航法図に適している。
※大圏とは、地球中心を通る地球表面上で描かれる円周線の事であり、2地点間の距離は大圏上が一番短い事になる。

D.正軸接円筒図法
地球を円筒に投射し長方形に広げた図法。高緯度になると面積が著しく大きくなり両極点では無限大となる。緯線と経線をそれぞれ水平・垂直の線で配置し、どの地点でも角度を正確に表す事ができる、正角図法である。

よって明かに間違っているのは、1.のa,bである。

解答: 1


<H29-No23:地図編集:解答>

 DTMに関する問題である。問題各文について考えると次のようになる。
※DTMとDEMは同意語として扱えばよい。

1. 正しい。DTMは地表面の標高データである。このため問題文のような陰影段彩図を作成することができる。

2. 正しい。空中写真を正射変換するためには、写真上の位置と地上の位置を対応させる必要がある。これには、標高データであるDTMが用いられている。

3. 間違い。DTMは地表面の標高値を表す数値地形モデルであり、建物の外周線を用いても建物を三次元で表すことはできない。建物を三次元で表すには、DSM(数値表層モデル)が必要となる。

4. 正しい。格子間隔が小さいと言う事は、地形のデータが詳細に得られていると言う事である。当然、格子間隔の小さいほうが、詳細な断面図を描く事ができる。

5. 正しい。作業規程の準則によれば、等高線データは、地図情報レベル1000までは1mメッシュ、2500では1m及び2mメッシュ、5000では1m、2m及び5mメッシュのグラウンドデータを用いて作成することができる。

 よって、明かに間違っているのは3.となる。

解答: 3


<H29-No24:地図編集:解答>

 地理情報標準プロファイル(JPGIS)に準拠した製品仕様書に関する問題である。製品仕様書に記載された応用スキーマとは、これから作成する又は作成された地理空間データの内容や構造を記したものである。問題各文について考えると次のようになる。

1. 正しい。製品仕様書のデータ内容や構造は、UML(Unified Modeling Language:統一モデリング言語)クラス図を用いたものと応用スキーマ文章で示される。

2. 正しい。点型地物(GM_Point)は2個、線型地物(GM_Curve)も2個、面型地物(GM_Surface)も2個ある。

3. 正しい。測量の基準点クラス名の属性を見ると、点名称がある。

4. 間違い。行政区画界線クラスの属性情報は、場所と種別のみである。

5. 正しい。建物種別の一覧表(enumeration)には、普通建物がある。

 よって、明かに間違っているのは4.となる。

解答: 4

参考文献:公共測量作業規程の準則・測量法

http://www.kinomise.com/sokuryo/ 測量士・測量士補 試験対策WEB

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